ステロイドの使用については、目的をきちんととらえて使うことが大事だと思います。目的とは、炎症や痒みを抑えるというこの1点です。ここには、アトピーを治すという意味は含まれていません。
このスタンスに立つことで、ステロイドの使用のみでアトピーが治るという誤解から漫然とステロイドを塗り続けるという悪循環は防げると思います。
ステロイドで炎症を抑えることによって、気持ちに余裕ができ根本の治療に取り組むことができるのです。
私も一時は、脱ステロイドでやっていこうと思った時期もありました。しかし、社会生活をするうえで、脱ステロイド療法は、非現実的です。というのは、脱ステロイドをするうえでは、一時的??な症状悪化は避けられません。人気のないところで仙人のような暮らしをするなら話は別ですが、人と接しなければならない環境で、症状が悪化すると、人に会いたくなくなります。四六時中痒みや痛みと戦わなければなりません。心身ともに疲れ果てます。
そんな状況では、根本の治療はできないのではないかというのが私のいたった結論です。
ステロイドは、本当に辛いい炎症や痒みを抑えてくれます。
ステロイドに関しては、副作用が喧伝され、一番大事なメリットの面が過小評価されていると感じます。ステロイドは、「恐れず頼り過ぎず」がコツではないでしょうか。
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